映画のフィナーレで、画面に現れる出演者やスタッフの名前のリスト。
これらは一体何と呼ばれるのでしょうか？
一般的には「エンドロール」や「エンドクレジット」と称されますが、それぞれの特徴や違いについて考えたことはありますか？
さらに、これらに表示される名前の順番には、どのような意図が込められているのでしょうか？
今回は、映画の終盤を彩るエンドロールとエンドクレジットの興味深い側面を解説します。
エンドロールとエンドクレジット、その微妙な違いとは
まず、この2つの用語について詳しく見ていきましょう。
【エンドロール】
(和製英語end roll) 映画やテレビドラマの最後に、出演者や製作スタッフを紹介するスクロールテキスト。
【クレジットタイトル（エンドクレジット）】
映画やテレビで使用され、制作に携わったスタッフやキャストを紹介するテキスト表示。
※広辞苑には「エンドクレジット」の語は見当たらないため、「クレジットタイトル」という用語を基に説明します。
これらはどちらも映画のクライマックス後に表示され、出演者やスタッフを紹介する役割を果たしています。
しかし、表現方法には若干の違いが見られ、「エンドロール」は特に日本で好んで用いられる表現です。
エンドクレジットにおける表示順の意味とは
次に、エンドクレジットでの名前の表示順に隠された意味を探ります。
実は、映画のエンドロールにおける名前の順番には、一律のルールは存在しません。
制作会社によって異なる場合が多いのです。
一般的には以下のような順序が見られます：
- 主演俳優
- 準主役級の俳優
- 脇役俳優
- エキストラ
- 有名な脇役俳優
- 制作スタッフ
特に、有名な脇役俳優が後半に登場する理由については、興味深い背景があります。
映画界には「格」と呼ばれる、俳優間の階層が存在します。
この格は制作現場で非常に重視されており、エンドクレジットではこの格と役割の重要度に基づいて順序が決定されています。
例えば、主役や重要な役を演じる高格の俳優は、しばしばエンドクレジットの最後（トリ）に位置づけられるのです。
エンドロールとエンドクレジット：映画の最後を彩る新たなトレンド
映画がクライマックスを迎え、エンドロールが始まると、席を立つ観客をよく目にします。
しかし、映画業界では観客が最後まで映画を楽しむために、様々な工夫がなされているのです。
かつてはシンプルな黒背景に白文字のエンドロールが一般的でしたが、それでは物足りなさを感じる方もいました。
最近では、エンドロール中に追加の映像を流すことや、エンドロールの後にサプライズ映像（オマケ映像）を用意する作品が増えています。
これは特に、カラフルで家族向けの作品に顕著な傾向です。
エンドロールを見終わった後に意外な映像が現れると、観客は期待感に満ち溢れます。
このような細かい工夫が凝らされたエンドロールは、視覚的にも楽しめ、「映画はエンドロールまで含めて全体を楽しむ」という風潮が生まれています。
映画料金が上昇する中、映画体験を最大限に活かすことが重要視されています。
一方、エンドロール中に退席する理由としては、トイレに行きたい、混雑を避けたいなどの意見があります。
健康を考慮することは大切ですが、制作チームの努力が込められた映画の最後までを鑑賞することをお勧めします。
エンドロールとエンドクレジット、その魅力のエッセンス
エンドロールとエンドクレジットは、映画の終わりに設けられる重要なセクションです。
出演者やスタッフの名前を紹介する点では共通していますが、表現の仕方には差があります。
エンドクレジットでは、伝統的に大御所俳優の名前がリストの最後に来るような暗黙のルールがあります。
その後にスタッフや監督の名前が続きます。
最近では、観客が映画の最後まで引き込まれるような工夫が凝らされています。
エンドクレジット中の映像演出や、エンドクレジット後の追加コンテンツが用意されることが多くなっています。
次に映画を観る際は、このようなエンドロールやエンドクレジットにも注目してみると、映画の楽しみ方が広がるかもしれません。
