日本でもおなじみの小鳥、キセキレイ。
鮮やかな黄色い羽根と愛らしい姿から、多くの人々に愛されています。
本記事では、この小さな鳥の生態や特徴、さらにはスピリチュアルな側面にも触れ、キセキレイの魅力を余すところなく紹介します。
小鳥キセキレイの正体 – 外見と生態を詳しく解説
キセキレイは全長が約20センチの小柄な鳥です。
細身の体つきに長い尾羽が特徴的です。
名前の由来である黄色い羽色が胸から腹部にかけて広がり、翼の下や眉上には白い斑点があります。
足は黄褐色をしています。
この鳥は石垣の隙間や樹木の茂み、橋げたの下など、日陰になる場所に巣を作ります。
しかし、時として人家の軒先や雨どいの隣りにも巣を作ってしまうことがあります。
季節によって羽色が変化するのがキセキレイの特徴です。
夏場は鮮やかな黄色に映りますが、冬場になると羽全体が淡い色合いになり、のどの黒さも失われて全体的にすっきりとした印象を受けます。
キセキレイは珍しい鳥ではありませんが、鮮やかな羽色は他の鳥とはっきり区別がつくほど特徴的です。
日本国内では九州以北に生息しており、渓流沿いや湖沼、住宅街でもよく見かけられる身近な存在です。
キセキレイの一生 – 繁殖から巣立ちまで
キセキレイの平均寿命は約2年と短く、野鳥の中では平均的な長さです。
繁殖期は4月から8月にかけてで、好んで河川の上流域や高地の湖沼周辺で産卵し子育てをします。
ただし、平地の河川があれば場所を選ばず営巣することもあります。
一度に産む卵の数は4個から6個ほどです。
愛らしいキセキレイの雛(ヒナ)の姿
キセキレイの雛は、生まれたての姿は成鳥とはがらりと異なります。
灰色の襟巻き状の羽毛に包まれた姿で孵りますが、くちばしは橙色をしているのが特徴的です。
成長するにつれて、だんだんと親鳥のような美しい黄色の羽に生え変わっていきます。
餌となるのは、親鳥から給餌されるカゲロウ類やトビケラ類といった水生昆虫です。
雛は卵から孵って約2週間後に巣立ちをします。
その後さらに1〜2週間は親から給餌を受けながら、徐々に自力での採餌行動を身につけていくのです。
愛らしい雛の姿は、キセキレイの魅力を一層高めているのではないでしょうか。
愛らしい鳴き声にも注目! コミュニケーションの手段
キセキレイの鳴き声は「チチン」「キシキシキシ」「チチッチチッ」「チョイチョイチョイ」などと表現されます。
同じキセキレイ科の鳥であるハクセキレイとは似た鳴き声ですが、キセキレイのほうがやや高音です。
この鳴き声の意味するところには諸説ありますが、仲間同士のコミュニケーションの手段であるという説と、縄張りをアピールする行動の一つだという説が有力です。
いずれにしろ、愛らしい鳴き声は人々を魅了し、キセキレイの魅力を一層高めているのは間違いありません。
飼育は禁止!?野生のキセキレイとの付き合い方
残念ながら現在の日本では、キセキレイを含むあらゆる野鳥の飼育が禁止されています。
2012年の鳥獣保護法改正により、全国一律で野鳥の飼育や飼育目的での捕獲が違法となりました。
したがって、キセキレイを家で飼うことはできません。
野生の鳥を室内に持ち込むこともNGです。
オス&メスの見分け方と冬場の違い
キセキレイのオスとメスの見分け方は、のどの色が手がかりになります。
オスはくっきりとしたアクの強い黒いのどをしていますが、メスのほうはのどが白っぽくなっています。
ただし、まれにメスなのにのどが黒っぽい個体もいるので注意が必要です。
冬場になると、オス・メスともに全体的な羽色が淡くなり、のどの黒色も目立たなくなるので、区別がつきづらくなってしまいます。
家に巣を作られたら?適切な対処法とは
キセキレイは住宅の軒先や郵便受けの上など、人家周辺にも巣を作ることがあります。
特に3月から7月の繁殖期には注意が必要です。
万が一自宅に巣を作られてしまった場合、自分で強制的に巣を壊したり鳥を追い払ったりするのは避けましょう。
法的に野鳥への加害行為は許可されていません。
まずは自治体に連絡を取り、指示に従って対応するようにしましょう。
幸運の使者? キセキレイとスピリチュアルな関係
キセキレイには、スピリチュアルな世界との関わりがあるとされています。
この鳥は世界や人間の誕生に深く関係していたと考えられ、縁起の良い存在と位置づけられてきました。
「幸せの黄色い鳥」の異名があるように、幸運の象徴とされることも多いキセキレイ。
ご自宅の周りでこの鳥に出会えたら、きっと何か良いことが起こるかもしれません。
愛らしい佇まいに、不思議な魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。